フェティッシュな香水。

こんにちは!広く緩くサブカルチャーを愛している、NOSE SHOP銀座店の秋間です。
私のブログでは、ちょこちょこそういった好きなカルチャーに絡めてお話ししていけたらなと思っています!

さて、今日の話題は。
タイトルにもあるように香水で表現されるエロティシズムについてお話しします。

古くから、人間は麝香(※)などを用いて動物から色気を借りていました。
時は流れて、動物から香料を採取するのは動物愛護の観点から規制がかかり、ほとんどが合成で作られています。
(※ジャコウ。別名ムスクと言い、ジャコウジカの腹部から取られます。興奮作用等がある為色っぽい香り等と表現されることが多いです。)

人の手で似たものを作るほど愛されるこういった香料達ですが、
今回は人間から採取…というわけにはいかないので、
インスピレーションを得た香水をご紹介します!

出会いから終わりまで。一連の行為を表現した香水。

ETAT LIBRE D'ORANGE(エタ リーブル ド オランジェ)|ピュタン デ パレス(ファム・ファタルの儀式)

私は映画を見るのも好きなのですが、
この香水で思い浮かべたのはMoulin Rouge (2001)でした。
出会いの場はキャバレーで、むせ返るような白粉の匂いが落ちる頃、
露出した肌からは動物的な色気が香り、ソファに横たわった時のレザーがラストに香ります。
ストーリーを思い浮かべながら香りを嗅ぐと、一層楽しめるはず…

NOTE:
ローズ、スミレ、レザー、スズラン、タンジェリン、ジンジャー、ライスパウダー、アンバー、アニマルノート・・・

男性を引き寄せる、魅惑の香り。

ORTO PARISI(オルト パリージ)|セミナリス(精子)

精子という名が付いているものの、
どちらかというと精子を惹きつける、卵子の香り。
目の見えない精子が、どうして卵子に行き着くことができるのか。
それは、卵子の出すブルゲオナールというスズランに似た香りを辿っているからだそう。
ムスクは男性の70%が認識できないと言われるほど女性の方が香りには敏感なのですが、
このブルゲオナールだけは男性の方が嗅ぎわけることができます。
そんな、本能的に求めてしまう香りを纏うことができたら…
映画パフュームのように、あなた目掛けて沢山の男性が押し寄せちゃうかも。

香水界の問題作。

ETAT LIBRE D'ORANGE(エタ リーブル ド オランジェ)|SECRETIONS MAGNIFIQUES(セクレション マニフィック)

直訳すると素晴らしい分泌。
分泌…?
なんとこの香水に含まれるのは、
血と精子と唾液の香り。
…なんということでしょう。
ツンとくるカルキのような香りと潮風の香り、なんとも言えないけれどクセになる香りがあなたを包みます。
シーソルト系の香りが好きな方には持ってこいかもしれません…

この香水は調香師であるエチエンヌ氏によって、美の固定観念化に対するアンチテーゼとして作られ、香水業界では「なんて物を作ってくれたんだ」と話題になりました。

けれど、たしかに「良い香り」は千差万別。
このマニフィックはETAT LIBRE D'ORANGE(エタ リーブル ド オランジェ)のNOSE SHOPジャック企画の時のみのお取り扱いですが、
他にも面白いストーリーを持った香水が沢山あるので、己の美的感覚、嗅覚を頼りに、NOSE SHOPで自分だけのお気に入りを見つけてみるのも楽しいかもしれませんよ!