桃と女性が同じ香り!?γウンデカラクトン

いきなり意味わからないカタカナを並べてびっくりさせたと思います。こんにちはスタッフの河村です。

今日はお花などの香りを究極に突き詰めた先にある香気成分のお話をしたいと思います!
ド文系でぜんっぜんこの手の分野がわからないのですが、香気成分とは例えばお花の香りをその花の香りとして成り立たせる成分で、バラはおよそ500の成分から成り立っているといい、私たち人類は今その95%を解明しているそうです。

高校で化学専攻した方は覚えがあるかもしれませんが、ベンゼン環のアレが束になって花とか匂いのするものに含まれていてそれが空気を伝って鼻の中に入ると匂いとして認識するみたいです。(僕は生物だったので1mmもわかりませんが。。。)

今回はその中でも比較的口にしたり、嗅ぐことの多い香りのγウンデカラクトン(ガンマ・ウンデカラクトン)を紹介しようと思います。

γウンデカラクトンは別名ラクトンC-11といい、桃の香りを構成する主要な匂いの成分、香気成分と言われています。
これはフレグランスに使われるほかにも飲み物や食べ物のフレーバーにも採用されることが多い香気成分と言われています。市販のピーチティーや桃の香りのボディスプレーとかでもしかしたら日ごろ覚えがあるのかもしれません。

この成分が初めて合成されたのは1908年で、香水に初めて使われたのはゲランが1919年に発表した『ミツコ』だと言われています。

この他にもこの香りは10代20代の女性に多く含まれているとロート製薬の研究チームは発表していて、10代、20代女性の甘い体臭にこの分子が含まれるという結果になったそう。以前話題になった女子高生の匂いがするボディケアグッズはこの香りがメインになっています。

今日はそんなγウンデカラクトン香る桃のフレッシュな香りを僕の鼻による主観ですが、紹介していきたいと思います。

AGONIST|Solaris(ソラリス)

  • NOTES:
    トップ|ピンクグレープフルーツ、レモン、グリーンマンダリン、グリーンカラント、プチグレイン、ブラックペッパー
    ボディ|オゾンアコード、ヴィグナピーチ、ジンジャーの根、アオモジ、楓子香
    ベース|トンカマメ、ベンゾイン、シスタス、パチョリ、ウッディーアンバー
  • 吹き付けた瞬間はジンジャーとレモンのキリッとした香りが出てきますが、徐々にネクターのようなピーチのとろんとした甘みが出てきます。

    このピーチの甘みがなんとも言えないラクトン雰囲気が出ていて柔らかい香りです。

    よく晴れた日にまといたい幸せな香りです。

    Nicolai|Juste un reve(夢かもしれない)

  • NOTES:
    トップ|ピーチ、ココナッツ
    ボディ|ジャスミン、イランイラン、チュベローズ
    ベース|サンダルウッド、バニラ
  • ニコライからJuste un reve。この香りは全体を通しチュベローズやココナッツの香りが立ってくるのですが、奥にピーチがほんのりと香ります。

    チュベローズの香りには少しフルーツっぽさがあると調香師の方はおっしゃっており、このフルーツの感覚もこのγウンデカラクトンで表現しているといいます。

    また、ほんの少し加えると、フローラルをもっとふっくらと美しく香らせる効果があるので、フローラルにも使われることが多いそうです。

    確かに嗅いでみると隠し味のようにピーチが香っていて、そのおかげで香りがより豊かに香っているように感じます。

    Ulrich Lang New York|17 Nandan Road

  • NOTE:
    トップ|グリーンリーブス、シチリアレモン、ベルガモット
    ボディ|オスマンサス、アイリス
    ベース|シダーウッド、スエード、ムスク、アンブロックス
  • 桃と金木犀はそれぞれγウンデカラクトンとγデカラクトンという兄弟のような香料分子がメインで含まれています。17Nandan Roadは中国の公園で撮影された金木犀にフォーカスして作られています。

    僕の肌だと剥き立てのピーチのようなしっとりとしてフレッシュな香りが立ってきます。このピーチっぽさがラクトンのように感じます。正直これが一番自信あります。
    この香気成分はフローラルを立たせるのはもちろんのこと、先ほども言ったようにたくさん入れることでフレッシュなフルーツの香りになっていきます。

    まさにみずみずしくフレッシュな桃のような香りです。

    今日はピーチや若い女性と多くの甘い香りを作り上げる香気成分、γウンデカラクトンにフォーカスしてみました。

    この香りは日常でも触れる機会が多いものだと思います。ちょっとニッチofニッチという感じですが、香りを嗅いだ時に少しでも今嗅いでいる香りの奥に触れてみてくれたら嬉しいです。
    ではまたお会いしましょう!