香水のレイヤードって実際どうなの?

最近よく聞く、香水のレイヤード。
「なんか上級者っぽくて難しそうだし敷居が高そう…」
何したらいいかわからない人なんかも多いのではないでしょうか。

僕もそんな一人でした。
これまで「一本で完成された存在の香水にさらに追加するなんてトゥーマッチなんじゃないの…」
なんて思ってたのですが、ある日何気なくこの香りにこれあわせたらいいんじゃないかなと二本を手に取ってみたらなんともいい香りで感動…
それから少しづつ香水のレイヤードを試す日々です。
そこで今回はそんな感動してからの一ヶ月、出勤のたびに様々な香水をレイヤードを試してみて分かったことをお届けします!
あくまで個人の感想なので、ご参考程度に見ていただけると幸いです。

つける箇所は別々に分けた方がいい…かも

つける場所は同じ手首に二種類というように同じ場所にというよりは部位を分けてお腹にワンプッシュ、手首や足首のワンプッシュのように分散させた方が心地よく感じました。

同じ場所につけると一気に全部の香りがきて楽しいのですが、混ざりすぎてしまってそれぞれのいいところを消しあってしまうことも多々ありました。なので、それぞれの香りを認識できつつ分けても感じられる別々の部位につけるとがいいのかなと思います。

レイヤードする香水を選ぶ上で大切かもと思ったのは、「共通点」

僕がレイヤードをしていていい香りかも!と思った組み合わせで大事だと思ったのは共通点。思えば当然のことなのですが、ギャップがありすぎると思った香りの組み合わせはやっぱり纏っていていて若干の違和感が出てきてしまいました。

そこで、良いと思った共通点を2つご紹介したいと思います。

同じ雰囲気で重ねる!

自分が最初に手に取って感動したのが、同じ雰囲気で重ねるレイヤード。

LABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ オルファティーボ)のチュベローシスNASOMATTO(ナーゾマット)のバラオンダを重ねてみました。
この2つの香りに私が感じた共通項はくらっとするような甘さ。
チュベローシスは名前の通りチュベローズという月下香とも呼ばれる甘い香りのお花を題材にしたものなのですが、そこにスパイスを加えることでキリッとした面もある甘いお花の香りです。
一方バラオンダはウイスキーをイメージした香りで、トップは本物のお酒のような特有のアルコール感から徐々にフレンチトーストのようなとろっとした甘さが出てきます。

この二つをチュベローシスをお腹に、バラオンダを手首にレイヤード。すると、チュベローシスをメインに洗練された密度ある空気の隙間を埋めるように、ふとした瞬間にバラオンダのくらくらするような甘みが出てきます。
冬の寒い時期に纏うとより体を温めてくれそうな厚みのある香りのレイヤードに変わりました。
このように同じ雰囲気の香りで纏うと、それぞれが埋め合うように香るような気がします。
チュベローシス NOTE:カーネーション(インド産)、チュベローズアブソリュート、コリアンダー、スパイス、ムスク
バラオンダ NOTE:非公開

同じ香料で重ねる!

やはり手軽に楽しめるのは同じ香料で重ねること。
Nishane(ニシャネ)のコロニゼLaboratorio Olfattivo(ラボラトリオ オルファティーボ)のニードユーで試してみました。
どちらもレモン、ムスク、ジャスミンの他に、コロニゼに含まれるグリーンティーを作るのに欠かせないヘディオンという香料も共通しています。

この二つを重ねると、淡めの香りのニードユーはサポート役に徹し、コロニゼをより爽やかにしてくれます。
つけた体感だとコロニゼのほのかな甘さやベチバーの土っぽさは薄れ、ニードユーのレモンや波のしぶきといった爽やかさが追加されることでより爽やかに感じられました。

どちらかが喧嘩するというよりも一本の香水のようにふわっと香ってくれるレイヤードでした。
もしかしたら、スタッフの浦野が書いたこちらの記事も共通点を探すというところではレイヤードの参考になるかもしれません。


ニードユー
NOTE:トップ|レモン(イタリア産)、ピンクペッパー
ボディ|白い花々、ジャスミン、波のしぶき
ベース|アンブロキサン、サンダルウッド、ホワイト・ムスク
コロニゼ NOTE:トップ|レモン、グリーンティー、ジャスミン
ボディ|グレープフルーツ、スズラン
ベース|ベチバー、ネロリ、ムスク

レイヤード推奨の香りってどうなの?

そういえば、ノーズショップでの扱いの香りの中で一部重ね付けをするための香りが存在します。
ジャンクロードエレナ作のLaboratorio Olfattivo(ラボラトリオ オルファティーボ)マンダリーノD.S. & Durga(D.S アンド ダーガ)の中でもフレグランスエンハンサーと呼ばれるクリスタル ピスティル, アイドントノウワットたちです。
マンダリーノは香りがしっかりとして一本でも主張をしっかりしてくれる香り。DSの二種はどちらかというと香りが淡く、肌馴染みのいい香りでした。

マンダリーノはウッディシトラスなので、それぞれの系統はもちろんフローラルやフルーティーな香りとも組み合わせはバッチリでした。
特にいいなと思った組み合わせは、Maison Louis Marie(メゾン・ルイ・マリー)のカシスとのレイヤード。
爽やかさが増強されてきれいに香りが出ました。

D.S. & DURGAのフレグランスエンハンサーは先述の通り香りが淡めなので同じ箇所にレイヤードしてもきれいに香りが出ていました。
エンハンサーを一番最初に下地にするようにかけ、その上からふわっと香りを載せる感覚です。
僕のおすすめは同じブランドのコリアンダーとのレイヤードでした。

香水、コリアンダーの持つライムとコリアンダーのえぐみのある爽やかな香りをより煌びやかに、そして品があるのに飾らない自然体なレイヤードになっているように感じます。

今回は僕なりに1ヶ月レイヤードを試してみた結果をまとめてみました!
レイヤードを試してみて、香水に対して「こう使わなきゃだめ!」みたいなルールを自分で勝手に作っていたことを自覚させられ、香りはもっと自由で楽しいということを身をもって体感しました。

もし読んでいるあなたが2本以上ミニ香水でも香水をお持ちなら、それを重ねてみてもいい気分転換になりそうですよね。
自由にいろいろ試してみてそれぞれの化学反応を楽しんでみるのもいいかもしれませんね!
まさにあなたの鼻を信じて進む、Follow your noseです!